数の横暴をこれ以上許して良いのか。321議席獲得の恐怖


いよいよ時間が少なくなってきました。
これが今回の選挙前の最後の記事になるかもしれません。
「朝日新聞中盤情勢調査」(2009年8月27日)によると空恐ろしい数字が並んでいます。

民主320超、自民100前後 

総選挙中盤の情勢について、朝日新聞社は22〜25日に全300小選挙区有権者を対象に電話調査を実施、全国の取材網の情報を加えて探った。それによると、(1)民主は非常に優勢で、衆院の再議決に必要な3分の2の320議席を得る可能性がある(2)自民は大敗が確実になり、100議席前後に落ち込む見通し(3)公明は小選挙区で苦戦、20台にとどまりそう(4)共産は比例区でほぼ前回並み、社民は小選挙区で善戦、などの情勢になっている。

調査時点で投票態度を明らかにしていない人が小選挙区で4割弱、比例区で3割弱おり、終盤にかけて情勢が変わる可能性もある。


(2)、(3)については、これでもまだ足りないぐらいでしょう。
いまだにこれらの政党に期待を持つ人びとの気がしれません。
このブログはネガティブ・キャンペーンが目的ではありませんが、
一言だけやはり許せないと思うことを書いておきたいと思います。


社会保障をはじめとしたパブリックの責任を軒並み切り崩し、
あげくには二代続けて政権を放擲するという失態を演じた究極の無責任党が、「責任力」を謳い、
その無責任党と結託して、生活の展望をあらゆる層から奪ったおつきの党が、「生活を守り抜く」とぬけぬけとのたまう、
このオーウェル流のdoublespeakには、本当に怒りを覚えます。
無責任党が政権を牛耳っている間に成立させた数々の悪法、
例えば障がい者の生活保障を大きく後退させた「障害者自立支援法」や「長寿医療制度」(通称)などを考えれば、驚くには足りませんが。


ところが、彼らの嗤うべきネガティブ・キャンペーンが、
「批判」だの何だのと大真面目に報道されているからどうかしています。
彼らがやっていることは「批判」ではなくただの中傷であり、
どこかの宗教政党と同じレベルの戯言と一蹴してしまうことが必要なはずなのですが。


しかし、問題はやはり(1)です。
当初、朝日新聞が20日報じた総選挙の序盤情勢調査では「300議席の勢い」でした。


民主党にとっても大勝は良いことばかりではない。もし300議席を超えれば、元職と前職が全員当選しても140人程度の新人議員が誕生することになる。「党をどうやってまとめていくのか」(若手)と心配する声も上がる。

 また、今回の事態は郵政選挙の反動でもある。再び同じような反動が民主党に跳ね返ってくるかもしれない。困難な霞が関改革などを断行し、国民の期待をつなぎ留めることができるのか――。中堅幹部は選挙後を見すえ、不安を漏らした。

 「政権をとったら、次々と改革を実行しないと国民が納得しない。国民の期待値が高いのが、逆に怖い」

「300」の衝撃を受け止めた8月21日当事の記事でさえこうです。
一党で「321」(3分の2議席)を超えることになれば、いったいどんな事態が生じるのか。
これはもう別次元の危機です。独裁といって言いすぎではありません。
民主と連立を組む少数政党の意見を反映させるための議論や交渉や妥協の努力が払われないかもしれません。
このような多数の専制ともいうべき政権のもとで、私たちの意見が本当に国政に反映されるのでしょうか?


オムライス党などは、ハムサンドのハムどころか、
せいぜいがピクルス程度の扱いしかされないことにもなりかねません。


自公が「3分の2」を盾に再議決を乱発したような事態を、再びもたらすようなことになって良いのでしょうか?
オムライス党が頼りないなら、赤旗党でも何でも、今一度マニフェストなりを見直し、
自らの信念や問題意識に沿う政党に票を投ずるべきです。
先日赤旗の記事についての文章(「しんぶん赤旗の記事を読んで」)で述べましたように、
小選挙区において、無責任党やその犬を退場させるために、方便として民主に投票するのは仕方ありません。
しかし、私たちには比例区があります。それを忘れてはなりません。
空気や情勢に流されず、自らの信念で投票すれば良いのです。
もう一度、政策の一覧を検討してみてください(47NEWSの特設ページが見やすいと思います)。


調査時点で投票態度を明らかにしていない人が小選挙区で4割弱、比例区で3割弱おり、終盤にかけて情勢が変わる可能性もある。
「朝日新聞中盤情勢調査」(2009年8月27日)


まだ間に合います。


自分が訴えたいことは、短い期間でしたが、拙いながら何とか書いてこられたと思います。
読んでくださった方、本当にありがとうございました。