圧倒的な勢力差?


民主党との「圧倒的な」勢力差にかかわらず、何を社民党国民新党はさんざん注文を付けているのか?
連立合意に至るまでの折衝過程を報じた記事では、社民党は早く妥協しろと言わんばかりの冷淡な眼差しが向けられてきました。
露骨に民主党との不協和音をあげつらいたいと思われる偏向的なメディアに限らず、
ほとんどが社民党を批判する論調で占められていたように思います。


「押し切ってもいいような「数」の差」 (東京新聞、2009年9月10日 )、
「両党と民主党との議席数の差はあまりにも大きい。連立内閣が総選挙で圧倒的な支持を得た民主党の主導で動いていくのもまた当然」(朝日新聞社説、2009年9月10日)といった調子ですが、
本来合意形成というものには手間と時間がかかるのは当たり前です。
メディアの報道が、一律に民主党におもねるがごとく「足を引っ張る社民党」といったイメージを振りまいてきたことには疑問を覚えます。


ドラスティックでスピード感のあるChangeを今すぐ見せて欲しいということなのでしょうが、
自公政権に長々とこの国の政治を委ねてきたツケは相当重いものであり、そう簡単には進まないでしょう。
数にまかせて少数意見を押し切るのは多数の「専制」であり、そんなものは民主主義ではありません。
民主党には「民主」の名に恥じないよう、少数党との調整を軽視しないように訴えていきたいと思います。
さすがに、先程の朝日新聞社説は最後にこう論じています。

期待したいのは、民主党の議員たちとは違う「目」を政権のなかで利かせることだ。巨大政党になった民主党が暴走したり、独善に陥ったりしないかをチェックする役割である。

 民意は必ずしも民主党の政策を全面支持しているわけではない。朝日新聞世論調査では、民主党の政策に対する有権者の支持が総選挙大勝の大きな理由とは「思わない」という人が52%に達した。両党が政権に入ることで政策がより複眼的になれば、有権者の期待に応えることにもなろう。

正念場は来年の参議院選挙でしょう。
ここで民主が過半数を制することになれば、多数の「専制」に決定的に雪崩を打つことになりかねません。


報道によると、社民党は入閣が内定した福島党首のポストを「労働行政全般を担う閣僚」として希望しているとのことです。
「福島社民党首の入閣内定=閣僚・党人事を加速−鳩山氏」(時事、2009年9月10日)
私も何度も訴えてきた*1ように、
社民党は、貧困問題とたたかう人びとの政治的連帯の結節点たりうるポジションに立っており、
何としても貧困問題への取組みにおいて第一に実績を出して欲しいと期待しています。

*1:貧困問題に取り組める党はどこか?http://d.hatena.ne.jp/rakudat/20090815/1250356279